言葉は悪いですが、よく色々な分野で「〇〇バカ」と言われる人たちがいます。

その分野での専門知識は大変豊富で、また技術的にも素晴らしいものを持っているのですが、

専門分野以外のことになると、まるでダメという人たちのことです。

まあ非常に間口が狭いわけですね。

 

ある専門分野のことをよく理解していただくためには、

それと関連する分野にも踏み込まないといけないことはよくあることです。

つまり、ある程度間口を広げ、関連の知識も豊富でないと十分な説明はできないのです。

 

柔道とか剣道を教える立場になったと考えてみましょう。

強くなるための技術、やり方だけを徹底的に鍛えても、その道を十分に理解したとは言えません。

「道」というのは精神性を表しているわけで、「礼に始まり礼に終わる」とか、

「負かした相手を思いやる」といった日本文化の精神、歴史的背景を教えなければならないのです。

だから講師（教師）は関連する知識も必要なのではないでしょうか。

 

私は東京四ツ谷の気功サロンで、気功を教える立場にいるわけですが、

気の取り入れ方、巡らし方、出し方だけを教えているわけではありません。

気功は健康、病気予防と深くかかわっているわけですから、

医者ほどの知識は必要ないですが、体や病気に関するある程度の知識は必要でしょう。

また気功の背景にある中医学的な知識や陰陽の概念なども、

気功を十分に理解していただくためには必要な知識だと私は思っているのです。