陰がなければ陽はない。陽がなければ陰がない。

陰陽はそれぞれ相手に依存しているーーーこれを陰陽の第二原則ということは前回述べました。

 

これを発展させて考えると、一つの人生観に行きつくのです。

苦しみがなければ喜びがない。敵がなければ味方もない。病気がなければ健康はない。

悪がなければ善もない。戦争がなければ平和もない。

常にその存在のためには、それに対立する存在が必要なのです。

喜びのためには苦しみが、味方のためには敵が、健康のためには病気が、

善のためには悪が、平和のためには戦争が必要だということなのです。

 

さて、このように言うと誤解する方がいるので、あえて言いますと、

この世の中から戦争をなくしていかなければなりません。

なぜなら、戦争ほど残酷で、理不尽で、悲しみ苦しみを生み出すものはないからです。

だから実際に戦争を起こすことは良くない。

しかし、戦争の実態、その悲惨さーーーその記憶と記録は後世の人たちに伝えていかなければならないのです。

そうでないと、平和のありがたさが分からなくなってしまうからです。

 

自分にとってイヤだと思う事ーーー苦しみ悲しみ、病気、老いなども、

人生にとっては必要だという発想は、この陰陽の概念から導きだせるのです。