アレルギーは免疫の暴走と言われますが、なぜそのようなことが起こるのでしょうか？

免疫システムはとても複雑なので、ここでは正確さは欠きますが、大雑把に説明します。

なぜ世の中の衛生状態が良くなるとアレルギーが増えるのか？

 

白血球のＴ細胞には2種類あり、主に細菌に対して活躍する細胞（Ａ）と、

ダニや花粉など、本来直接的には生命の危機ではないものに対処する細胞（Ｂ）があります。

細胞（Ａ）と細胞（Ｂ）は常に制御しあっています。

つまり（Ａ）が増えれば（Ｂ）は減り、（Ａ）が減れば（Ｂ）は増えるのです。

世の中が清潔になると、病原菌が体の中に入ってくる量が減るので、（Ａ）は活躍の場を失うので減ります。

するとダニや花粉その他アレルギー物質に対処する（Ｂ）が増えるので、過剰の対応（免疫の暴走）が起こるのです。

大雑把に言えば、これが世の中の衛生状態が良くなるとアレルギー疾患が増える理由です。

 

ただ私は、アレルギー疾患を減らすため、世の中が不潔になった方が良い、と言っているのではありません。

なぜなら、清潔になったことのメリットがあるからです。それは乳幼児の死亡率に関することです。

昔の日本はあまり衛生的ではなかったため、乳幼児の死亡率は高かったのです。

乳幼児が死亡する最大の原因は細菌などによる感染症なのです。

衛生状態が良くなったため乳幼児死亡率は激減しましたが、逆にアレルギー疾患が増えたのです。

やはり大事なのはバランスで、抗菌グッズなどに多く依存するのは考えものだと思っています。