前回、私たちの体をつくっている約60兆の細胞一つ一つにミトコンドリアが多数存在し、

毛細血管から取り込まれた酸素を原料にエネルギーを作っているという話をしました。

そして面白いことに、人によって、その数や性能に違いがあるということと、

脳や手足の筋肉など、体の部分によっても、ミトコンドリアの数や性能に違いがあるというのです。

ミトコンドリアがエネルギーを作っているのですから、

当然その数が多く性能が良ければ、さまざまな能力を発揮できるし、健康にも良いわけです。

また歳を取るとミトコンドリアの働きが悪くなることも分かってきました。

さまざまな老化現象も、このミトコンドリアの性能の低下ということで説明がつきそうです。

さて、ミトコンドリアの数や性能は遺伝的な要因に左右されるのですが、

日々の生活習慣で、その数や性能をアップさせることができるそうです。

実はミトコンドリアは、体が危機感を持つと増えるというのです。

だから大食いしてカロリー過多になると、安心して逆に働きが鈍くなる。

少しきつい運動をしてエネルギーを使うと、それを補充しようとして働きが良くなる。

う～ん、これもホメオスターシスという体の状態を一定に保つ働きの一環なのでしょうか。