健康な状態の時、私たちは当たり前と思っていることがたくさんあります。

日常的に目で見、耳で聞き、口でしゃべり、鼻や舌で嗅ぎ、味わいます。

また両手両足が普通に動いて、何不自由なく暮らしています。

自身が障害者になったり、身近な人が障害者になることで、これらのありがたさがわかるわけです。

さて、これらの五感や体の能力はみな大切ですが、

なかでも歯はとても重要だと私は思っています。

現代の私たちは医療の恩恵を受けた生活をしていますが、そうでない場合を考えてみましょう。

昔からずっと同じ状態の動物ーーーそう野生動物です。

肉食動物でも草食動物でも、歯がダメになったら、それは即、死を意味するのです。

物を食べられなくなったら死ぬのですから。

幸いなことに人間の場合、歯がダメになっても、

入れ歯とかインプラントという最新の技術で補うことができるのです。

他の野生動物と比べ、人の寿命がとても長い理由はこんなところにあるのかも知れません。