私たち人類は体毛がなくなったことで、独自の発汗システムを進化させてきました。

ヒトの汗腺は全身に広がっていて、200～500万個もあると言われています。

大きな差があるのは住んでいる地域によるもので、

寒い地方に住んでいる人の汗腺は少なく、暑い地方に住む人の汗腺は多いからです。

日本人の場合は、だいたい250万個位と言われています。

 

哺乳動物の場合、ヒト以外にこのように全身に汗腺があるのは馬などほんの少数です。

汗をかく意味は、高くなった体温を下げ、温度調節をスムーズに行なうためです。

走ると全身の筋肉を酷使するので、急激に体温が上がるのです。

だから発汗がうまくできない動物は熱疲労を起こして、休まざるを得なくなるのです。

 

陸上での最速ランナーであるチータは、時速120キロ近くの猛スピードで走ることができますが、

せいぜい1キロしか走ることはできません。発汗がうまくできず熱疲労を起こすからです。

ライオンも全速力で走れるのは100～200メートルほどです。

犬も舌から発汗するしかないので、走ると舌を出してハーハー苦しそうにしています。

全身に汗腺がある馬でさえ、マラソンのような長距離を走ることはできません。

ヒトは短距離走では、これらの動物にとてもかないませんが、

マラソンのように40キロほどを2～3時間で走れる動物はヒト以外にいないでしょう。