昨今の新型コロナウィルスが社会にもたらしたものは、「あちらを立てればこちらが立たず」といういくつかの現象です。

その典型は、感染の防止と経済の活性という二つの側面です。

それ以外に、コロナウィルスがもたらしたこのような事態は、まだいくつかあります。

その一つが「マスク」です。マスクにもあちらとこちら、別の言い方をすればメリットとデメリットがあるのです。

マスクのメリットは言わずもがなですが、感染の拡大防止効果です。

少し前までは、マスクは人に病気をうつさない効果はあっても、うつされないという予防の効果は疑問視されてきました。

特にウィルスは花粉や細菌に比べて300分の1ほども小さいからです。

しかし最近の研究では動物実験ですが、ウィルスについてもある程度の予防効果があることが分かってきました。

だから手洗いと共に、感染予防には人混みや公共の乗り物内ではマスク着用はエチケットと言えるのでしょう。

これはマスクの持つメリットですが、それではデメリットは何でしょうか。

これはいくつかあります。まずこれから夏の暑い時期を迎えますが、熱中症のリスクが高まることです。

またマスク皮膚炎という病気もあります。マスク内に熱がこもることと、縫い目で皮膚がこすれることで炎症するのです。

そして最も気をつけなければならないのは、マスクをつけると口呼吸になる人がいるということです。

口呼吸はさまざまな病気の原因になり、健康を維持するためにはやめなくてはいけない習慣です。

鼻には細かい鼻毛や粘膜がフィルターの役目をしていて、鼻呼吸をすれば入ってきた病原菌やウィルスをそこでシャットできるのですが、

口呼吸では、直接それらが気管支や肺に入ってきてしまうからです。

せっかく病原菌やウィルスをある程度（100％ではないが）マスクで防止できても、

口呼吸したのでは、そのメリットを帳消しにしてしまうのです。

私たちはマスクのメリット面だけを見るのではなく、もっと客観的にその長所短所を見る必要があるでしょう。

ちなみに私は、人が多い場所や公共の乗り物ではマスクをつけますが、

人通りの少ない道や公園などではマスクはしていません。