一般に「盲腸」とか「盲腸炎」と言われる病気があります。

正確には虫垂炎と言います。

小腸から大腸に右下腹部で接続しますが、その接続部分より下を盲腸と呼びます。

その先端部分に小指よりやや細い腸管がぶらさがるようについています。

これが虫垂突起で、ここに炎症が出る病気を虫垂炎と言います。

原因は腸内細菌による炎症の他、ウィルスや暴飲暴食、過労、ストレスなどが考えられます。

上腹部や下腹部の痛み、吐き気などの症状が出ます。

この虫垂突起は草食動物では長く、肉食動物は短いですが、

いったいこの突起は何の役目を持っているのでしょうか？

虫垂炎の外科手術では、この突起を切除してしまうことを見ても分かるように、

長らく無用の長物とみなされてきました。

しかし近年の研究では免疫に関係しているのが分かってきました。

虫垂に存在するリンパ組織が腸内細菌叢の制御に役立っているのです。