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病気の変遷

病気の変遷

2022/04/14

病気にも種類によって盛衰があるようで、明治時代から昭和25年頃までの死亡原因の第1位は肺結核でした。

しかしストレプトマイシンなどの抗生物質により、今では死因は20位以下になっています。

現在の日本では、死因第1位ががんで、2位は心臓病、3位が肺炎で4位が脳血管疾患です。

3位と4位は近年入れ替わったもので、高齢者が増えたため誤嚥性肺炎になる方が増えたためです。

さて、現在の日本で大変増加している疾患があります。それはアレルギー疾患です。

特に花粉症は1998年頃は約20%の人が花粉症でした。

それが2008年には約30%で、その後10年ごとに10%づつ増えている計算になります。

現在では2人に1人が花粉症という、国民的な病気になっています。

花粉症の原因になるものは色々ありますが、その代表的なものはスギ花粉でしょう。

でもスギは昔から日本にあった樹木ですが、私の子供の頃(何十年も前ですが)、

花粉症という言葉もありませんでした。

このようなアレルギー疾患はほとんどなかったわけです。

それがどうして近年急激に増えたのでしょうか?

実はアレルギー疾患と反比例の関係にあるのが寄生虫感染です。

今から100年ほど前は世の中はあまり衛生的ではなく、腸内寄生虫の代表である回虫の感染率は50%を超えていました。

それから徐々に減ってきましたが、第2次世界大戦後には再び増えて63%にもなったようです。

その後、世の中の衛生状態が改善されるに従い、寄生虫感染率は急激に減少し、

今では0.01%にまでなっているそうです。つまりほとんどの人は体に寄生虫を持っていないわけですね。

世の中が衛生的になり、寄生虫感染が減るに従いアレルギー疾患が増えてきたのです。

この衛生仮説によれば、寄生虫の排泄物がアレルギー疾患を予防しているそうなのです。

環境が衛生的になれば、コレラやチフスなどの感染症は減るかも知れないが、

逆にアレルギー疾患は増えてしまう。

う~ん、やはりそのバランスが大切ということなのでしょうか。

 

 

 

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