以前、ヒトとチンパンジーのゲノム（全遺伝情報）は98.8％が同じだという研究結果を見て、ショックを受けた人は多かったと思います。

この研究はまだ科学的に確定したわけではなく、98.5％という人もいるし、いやもっと違っているという研究もあるようです。

いづれにしても、ヒトとチンパンジーはかなり似ているというのは事実でしょう。

聖書の創世記に書いてあるように、神が海に泳ぐものや空を飛ぶもの、地を這うものや家畜等をつくった後、

それらを統治するために、自分の姿に似せて人間をつくったと信じている人にとってはショックでしょう。

人類は500万年～800万年前にサル類から分かれて進化してきたと進化生物学では主張しているのです。

さて、そんなに似ていると言われても疑問に思う人はいるでしょう。

ヒトとチンパンジーの大きな違いは脳の重さで、

ヒトはチンパンジーの3.5倍も大きな脳を持っているのです。

このことにより、色々な道具をつくったり発見・発明したり、

複雑な言語をつかってコミュニケーションする社会的な動物に進化してきたわけです。

しかし、99％近くが同じということも納得できる話なのです。

おそらく、身近なペットの犬や猫も、そんなに違いはないと思われます。

違いを見るのではなく、共通点に目を向けてみましょう。

眼や耳は二つ、鼻や口は一つ。またこれらの位置関係も同じです。

4本の手足を持ち、指は5本です。

体の中も同じで、心臓や肺、胃や腸の位置や肝臓、腎臓の働きなど皆同じです。

生きていく上で、呼吸をし、食物を食べ、排泄する。

これらの基本的な生理現象も同じでしょう。

だから、ヒトとチンパンジーは遺伝的によく似ていても、おかしくはないと思うのです。

まあ、ヒトと植物ではだいぶ違うとは思うのですが・・・。