有名な話ですが、秦の始皇帝は不老長寿の薬を求めて世界中に使者を送ったそうです。

彼ほどの権力と財力ももってしても、老化と死は避けられないのです。

これはもう生まれた時からの宿命だと私は思っています。

なぜ、そう言えるのか？

それは私たちが生きるために、どうしてもしなければならないことが、

そのまま老化と死に結び付いているからです。

生きるためにどうしてもしなければならないこととは？ーーーそれは呼吸です。

呼吸をして酸素を取り入れることで、私たちは生きています。

しかしその酸素は同時に、私たちの体を酸化させ、老化させる元凶でもあるのです。

細胞内にあるミトコンドリアは、血液から運び込まれた酸素を利用し、エネルギーを産出しています。

しかしこの際に、一部の酸素は有害な酸化物質（フリーラジカル）に変化します。

この活性酸素が細胞を傷つけ、色々な病気の元凶となり、健康をそこない、

老化そして死に結び付くと考えられているのです。

つまり、私たちは生まれた時から死へと向かう存在なわけです。

しかしこれは、生まれてすぐ老化するという意味ではありません。

私たちは生まれてからどんどん成長し、肉体的な頂点の青春時代を迎えます。

そして、それを過ぎた頃から、体はどんどん衰え、老化していくというのが実感でしょう。

この認識は間違いではありません。

なぜなら、若い頃は活性酸素の毒を消去する酵素（SODーーースーパー・オキシド・ジムスターゼやカタラーゼ）

と言った舌を噛みそうな名の抗酸化物質が豊富に作られるからです。

年齢とともにこれらの酵素の分泌は弱まり、老化そして死へと向かってしまうのです。