トキソプラズマに感染したネズミがネコを恐れなくなる理由は、

この寄生生物が脳のドーパミン神経に作用し、ドーパミンを増やすからと言われています。

トキソプラズマはネコだけでなく、もちろん人間にも感染しているわけで、

この寄生生物に感染した人はドーパミンという神経伝達物質の量が多いと思われます。

ドーパミンは快楽を司る物質で、快活で積極的になるわけです。

だから慎重さに欠けるという欠点も持ち合わせているのです。

統合失調症の患者はドーパミンの量が大変多いことが分かっていますので、

この病気の原因の一つがトキソプラズマだという主張をしている学者もいます。

また、トキソプラズマは男性ホルモンのテストステロンを増やします。

すると活動的、攻撃的になるので、交通事故の加害者になる確率が増えるというのです。

他には同様の理由で、自殺者はこの寄生生物に感染している人はしていない人に比べて、1.5倍も多いという研究もあるのです。

このように見てきますと、トキソプラズマによる感染症は医学だけの問題ではなく、

色々な社会問題に発展する要素を持っているのではないでしょうか。