気功サロン推薦図書（7）
　「思考のすごい力」　ブルース・リプトン著

　エピジェネティックスという生物学や遺伝学の新しい分野があります。これは私たちに新たな希望を与える考え方でもあるのです。
　ダーウィンの進化論によれば、環境に適応した固体が生き残り、その遺伝子が後世に伝わり、何世代も重ねることで徐々に進化していく、というのです。
　また、ある固体が生まれた後で獲得した形質は、その子孫には伝わらないとされています。
　しかし物事はそう簡単ではないようです。
　本書はエピジェネティックスの理論の元に、人生は単に遺伝子の働きだけで決まるのではなく、環境や思考、信念といったものの大切さを教えてくれます。
　エピジェネティックスの基本的な考え方は、ある遺伝子を持っている人は、その遺伝子の形質が必ず出るということではなく、各遺伝子には、それを発現させるスイッチがある、ということなのです。
　そして、そのスイッチがＯＮになることで発現するのですが、スイッチのＯＮ，ＯＦＦは、その人の信念や思考といった考え方や生活環境に左右されるというのです。
　昔から「生まれ」か「育ち」かーーー言い換えれば「遺伝」か「環境」か、といった議論は数多くありました。私たちは持って生まれた遺伝子によって、体質や性格まで影響されているのは事実でしょう。でも、その後の生き方によって、人生はどうにでもなるのではないでしょうか。
　たとえば、がん遺伝子を持っているからといって、必ずがんになるわけではなく、生活環境や考え方によって変わってくるわけです。
　成功哲学というジャンルがあります。ナポレオン・ヒルとかジョセフ・マーフィーなどが主張している考え方ですが、人生はあなたの信念や心構えで決まるというのです。
　エピジェネティックスはこの成功哲学の考え方に科学的な根拠を示すものではないでしょうか。
　エピジェネティックスは古いダーウィン主義者からは、なかなか受け入れられなかったようですが、いろいろな科学的事例をふまえ、これが真実だと分かってきています。私たちに希望を与えてくれる1冊です。