気功サロン推薦図書（37）
　　「ゾウの時間ネズミの時間」　本川達雄著

　ゾウとネズミは同じ哺乳類（人類も同じ）ですが、だいぶ大きさが違います。
それぞれの寿命を比べてみますと、ゾウの平均寿命は約80年なのに対し、ネズミは約3年半しか生きません。しかし両者に共通する数字があるのです。それは一生の間の心拍数です。ゾウもネズミも約15億～20億回なのです。
　つまり、ゾウはゆっくりと心臓が鼓動しているのに対し、ネズミは早鐘のように心臓が動いているのです。そして15億から20億回鼓動すると、どちらも一生を終えるというわけです。
　ここから長生きのヒントが得られそうです。一生の間の心拍数が決まっているのなら、なるべくゆっくり心臓が動いていたほうが長生きするのですね。
　心拍数は時と場合によって高くなったり低くなったりします。1日のうち、朝に戦闘モード（仕事モード）になると、自律神経の交感神経が優位となり、心拍数は上がります、同時に血圧も高くなるのです。
　夕方、お休みモードになったり、ゆっくりくつろいでいる時は自律神経の副交感神経が優位となり、心拍数は減り、血圧も低くなります。
　また自律神経は精神状態にも大きく影響されます。ストレスが大きくなると、交感神経が優位となり心拍数は増えるのです。
　だから長生きするためには、なるべくストレスを抱えず、のんびりと過ごすのが良いのでしょう。
　また心臓の動きと呼吸は連動していて、呼吸が深くゆっくりになると、心拍数も落ちるのです。だから深い呼吸を心がけると良いでしょう。そのためには歌やコーラス、吹く楽器なども良いでしょう。私はお坊さんが長生きなのは、お経を読むからだと思っています。自然と呼吸の訓練になっているのですね。長生きのヒントはこんなところにあるのではないでしょうか。