気功サロン推薦図書（55）
　　「統合医療ーーー21世紀の医療のすがた」　東京顕微鏡院編

　私が以前勤めていた「元気プラザ」という病院は、東京顕微鏡院に所属していた医療機関です。そこでは全国でも珍しい統合医療を実践していました。（現在は残念ですが財政的な事情により行なっていませんが・・・）。
　普通の病院（すべてと言っていいと思いますが）は西洋医療を行なっています。しかし西洋医療は完全ではありません。治らないこともあるし、副作用で逆に悪化してしまうこともあります。そこで西洋医療に替わるものとして、代替医療というのが出てきました。
　代替医療はいろいろあって、漢方をはじめ鍼灸、マッサージ、カイロプラクティック、ハーブ、アロマ、ホメオパシー、音楽、アニマル、温泉、アーユルヴェーダ、ヨガ、そして私のやっている気功など様々あります。
　統合医療とは、この西洋医療と代替医療の両面から患者に向き合うことで、患者の体質に合ったパーソナルメディスンを目指す考え方です。
　日本では代替医療の利用者の統計がありませんが、アメリカでは20年も前の統計ですが、アメリカ人の50％以上の人が何らかの代替医療を利用しているとのことでした。代替医療の中には科学的根拠もとぼしく、何か迷信的と思われてしまうものもある中で、これは驚きの数字でしょう。しかも高学歴、高収入の人ほど代替医療を利用しているというのです。
　西洋医療と代替医療にはそれぞれ特徴があります。得意分野もあり長所短所もあるわけです。病気の種類や患者の体質などによって、この医療が良いと一律には決められないのですから、西洋医療の担当者（医師）も代替医療（さまざまな種類がある）の担当者もそれぞれの特徴を把握して、患者のことを第一に考えなくてはなりません。
これが統合医療の考え方で、今後のあるべき医療のすがたではないでしょうか。
　本書は数人の代替医療の専門家による執筆と討論で編集されています。今後の日本の医療を考えるうえで必読の書と言えるでしょう。