気功サロン推薦図書（59）
　　「デタラメ健康科学」　ベン・ゴールドエイカー著

　私たちは時に、感情に流されて正確な判断ができないことがあります。たとえば東日本大震災の時、福島県産というだけで消費者から敬遠されてしまう事態が起きました。科学的に安全性が証明されているにもかかわらず、です。物事を正確に判断するためには、先入観にとらわれず、客観的かつ科学的な見方が必要なのではないでしょうか。
　本書の「デタラメ健康科学」は、医療や健康面に関し、人々がいかに「科学」という仮面をかぶった偽物に騙されやすいか、いや、製薬会社や健康食品会社、化粧品会社がいかに人を騙しているか、ということを告発しています。
　またメディアに対しても、視聴率を上げるための話題づくりで、まだ正しいと判断できないような事案を大げさに報道することも批判しています。

　私は東京四ツ谷で気功教室を開いていますが、気功も鍼灸やホメオパシーなどの代替医療同様、未だ完全に科学で解明できているわけではありません。注意しなければならないことは、このような科学的根拠の乏しいものには、怪しげな偽物が入り込む余地がある、ということなのです。
　占いなどもそうです。昔、足裏診断なる占いで人を騙し、逮捕された人がいました。もちろん本物として真面目に営業している人も多いと思いますが、偽物も入ってきてしまうのです。しかも科学の仮面をかぶると、人を簡単に騙すことも可能なのです。

　私の仕事である気功に関して言えば、科学の光が当てられている部分もありますが、その効果について未だ完全に科学的に解明されたわけではありません。
　私は自分のことを科学的な人間だと自負しています。だから気功は万病に効くとか、気功は誰にも効果がある、というようなハッタリは言いません。そんなことはないし、科学的根拠もないからです。
　本書「デタラメ健康科学」は自戒の書として今後とも大切にしたいと思っています。