気功サロン推薦図書(60)
2023/06/05
気功サロン推薦図書(60)
「心脳問題」 山本貴光、吉川浩光共著
本書は心脳問題について、大変分かりやすく客観的に書かれた良書です。
さて、本書のテーマである心脳問題とは何でしょうか? それは心と脳との関係についての問題で、「心とは何なのか?」、「心は体のどこにあるのか?」、「心は脳によって生み出されるのか?」、「脳が分かれば心も分かるのか?」といった疑問は昔からありました。
これは医学だけでなく、脳科学、哲学上の未だ解決できていない大問題なのです。
昔は心は心臓にあると考えられてきました。その証拠に心臓は心という字を使っていますし、英語でも心臓のことをheartというのです。ドイツ語でもフランス語でも心臓は心という意味を持っているそうです。
しかし現代においては、心が心臓にあると考えている人はいません。多くの人は心は脳にある、脳が心を生み出している、と思っているのではないでしょうか。
でも実体のない精神作用である心が物質である脳とどのような関係にあるのか、よく分かっていないのが現状なのです。
本書はこの問題にスポットを当て、大変分かりやすく解説しています。心脳問題には4つの立場があると言うのです。
①唯物論の立場で、脳という物質の作用、脳にある神経細胞の発火の結果として心が生まれる、と考えるわけです。
②唯心論ーーーこれは唯物論とは反対で、むしろ心という精神が主体で脳をはじめ色々な物質を作り出している、という主張です。
③二元論ーーーこれは脳という目に見える物質と目に見えない心という作用は本来別々の機序で成り立っている、この二つはそれぞれ独立して存在している、と考えるのです。
④同一説ーーーこれは脳と心は同じものだが、別の見え方になっている、という説です。
私が先ほど、この心脳問題は哲学上の大問題だと言ったのは、これが科学的にどう解決するかで、私たちの人生観に大きな影響を及ぼすからです。
なぜそう言えるのか、考えてみてください。私たちは誰でも例外なく、いつかは死にます。でも死とは何でしょうか。死んだら何も残らないのか? それとも肉体は滅んでも魂は残って、あの世に行くのでしょうか? 死んでも心(意識)は生き続けるのでしょうか? どう考えるかで人生観は大きく変わってくるはずです。人生の目的、生きる意味まで違ってくるからです。
唯物論は現代の医学者、脳科学者の圧倒的な支持を得ています。昔に比べて、脳の構造、脳の仕組みが明らかになってきました。心という精神作用、たとえば思考、論理、記憶、計算、感情、感覚などは脳のどの部分が司っているか、が明らかになっているのです。だから脳が心を生み出している、と考えてもおかしくないでしょう。
しかしこの考えでは、私たちが死ねば(つまり脳が死ねば)、心も死ぬわけですから、死後は灰になるだけで何も残らないことになります。魂など初めからないのです。
う~ん、これではちょっと味気ないですね。でも庶民的感覚としては、多くの人が墓参りをしているように、何か魂というものが存在していると感じているのではないでしょうか。
もし唯物論以外が将来正しいということになれば、私たちは魂の存在を確信し、死というものに対しても考え方が大きく変わるのではないでしょうか。
一昨年亡くなった瀬戸内寂聴さんが言っていましたーーー「あの世があるかどうか分からないが、あると思ったほうが人生は楽に生きられる」と。
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