気功サロン推薦図書（69）
　　「前世を覚えている子どもたち」　トム・シュローダー著

　ヴァージニア医科大学の精神科医長だったイアン・スティーヴンソン博士は輪廻転生に興味を持ち、80歳を超える年まで地道な調査を続け、まとめたのが「前世を記憶する子供たち」という著書でした。
　その調査とは、前世の記憶を持つという人（主に子供）の証言をもとに、それが事実かどうかを調査するというものです。その調査に全世界を飛び回ったわけです。
　本書の著者のトム・シュローダーは気鋭のジャーナリストですが、そんなスティーヴンソン博士の調査に同行し、その記録をまとめたのが本書です。
　世界の宗教は魂の存在を認めていますが、肉体の死後、その魂がどうなるかについては宗教によって違いがあるようです。
　輪廻転生とは、魂が次の世代に別の肉体を得て生まれ変わることですが、それを認めていない宗教もあります。代表的なのはキリスト教とイスラム教です。魂の運命は現世においてどんなことをしたかで決まるわけで、善行を積めば天国へ行けるし、悪行を積めば地獄へ落ちるわけです。そこには輪廻の概念はありません。
　一方、ほとんどの仏教（なかには違うものもある）やヒンドゥー教、ジャイナ教は輪廻転生を前提とした宗教です。前世があるということは、この輪廻転生を認めているわけで、スティーヴンソン博士の調査が正しければ、生まれ変わりの事実が実際にあったことになり、輪廻転生が正しいことになるわけです。
　輪廻の証言の信憑性を多大な費用と時間を使って調査することに対し、スティーヴンソン博士はこんな質問を受けるそうです。
　西洋の人間からは「輪廻なんてあるわけないのに、なんでわざわざお金をかけて、そんなものを調査するのか」と。それに対して東洋の人間からは次のように言われるそうです。「お金をかけてまでなんで輪廻を研究するのか？　我々はそれが事実だともう知っているのに」と。