血圧のサーカディアンリズム（続）

　血圧は1日のうちの起床から日中の活動時、休息、そして就寝というサーカディアンリズムにそって変動しますが、実は、心理的な影響もとても受けるのです。

　人は緊張すると血圧が上がります。嫌いな上司や自分の昇進に強い影響力を持つ上司の前では緊張するので、自然に血圧は上がります。これは失敗が許されない状況なので、脳に血液を十分に届けようと心臓が頑張るからです。

　また戦争という特殊な状況も考えてみましょう。味方たちが敵の部隊にめがけて、隊長の号令とともに鉄砲を発射する場面を想像してみて下さい。あなたの心臓はバクバクと早鐘のように高鳴っているはずです。これは素早い動きができるように、全身の筋肉に血液を送り込んでいるからです。死ぬか生きるかという緊張状態で、露天風呂にゆったり浸かっているような心理では、すぐに敵の鉄砲にやられてしまいますから。

　これらのことを考えますと、私たちの体は状況にそくして反応できるわけで、とてもうまくできているなあ、と感心してしまうのです。