西洋医学と東洋医学はどこが違うか？（1）

　西洋医学と東洋医学、ここでは主に中国医学ですが、どこに違いがあるのでしょうか。そこには人体に対する考え方の違いがベースになっているように感じます。

　まず、西洋医学は実証的であり分析的です。これは科学の基本姿勢なので、西洋医学は科学的根拠に基づいた医学と言えるでしょう。それと比較して東洋医学は観念的です。また実証よりも経験を重視します。

　たとえば中国医学の基本概念である経絡を考えてみましょう。経絡とは体内に張り巡らされた気の通り道のことです。気という生命エネルギーが体内を潤沢に流れていれば健康なわけで、その通り道としての主要な経絡は人体図にも示されています。またツボ（経穴）は経絡上にある穴のことで、気の出入り口となっています。

　しかし西洋医学では、経絡や経穴などの概念はありません。なぜなら実証的ではないからです。人体を解剖しても、顕微鏡で調べても、経絡や経穴が見つからないからです。つまり科学的根拠がないわけですね。

　う～ん、気功教室を開催している私としては苦しいところですが、科学的根拠がないからと言って、そんなものはないのだと断定してもいいのでしょうか。これらはあくまでも観念の世界ではありますが、中国何千年の歴史の中で培われた経験を元にした理論ですので、この概念は大切にしていきたいと思っています。