気功サロン推薦図書（76）
　　「Yの真実ーーどうして男はダメなのか」　スティーヴ・ジョーンズ著

　世界中を見渡しても、女性の平均寿命は男性よりも5歳～8歳くらいは長くなっています。
　神の摂理かどうかは分かりませんが、寿命の短い男性のほうが、少し多く生まれます。しかし50歳前後になると男女比はほぼ同じになり、80歳をすぎる頃になると（国により多少の違いはありますが）、男性は女性の半分くらいになってしまいます。100歳に達する頃には男性は女性の9分の1になってしまうのです。
　これにはいろいろな理由があると思います。まず100年前にくらべ、出産が楽になったため、出産時の死亡リスクが減ったこと。また女性の体は、もともと体の保守に向いているのです。脂肪の多い体は寒さに強く、また筋肉量が少ないので、体力維持のための摂取カロリーが少なくてすみます。
　また、男性は性染色体がXとY、女性はXXですが、これがX染色体上にある遺伝的病気のリスクを女性は少なくしているです。たとえば血友病や色盲は圧倒的に男性が多い病気ですが、この病気遺伝子はXの上に乗っています。女性はXが二つあるので、正常なXが病気の発現を抑えているわけです。
　また男性ホルモンのテストステロンの影響も大きいようです。少年の自殺率は少女の3倍もあり、また不慮の事故や殺人で死ぬ確率も男性が多いのです。その他、テストステロンは免疫力を低下させるので、感染症による死亡リスクも高めてしまいます。
　また生活習慣における性差も影響するようです。タバコは健康にとって大敵ですが、喫煙率はどの国においても男性のほうが高いし、アルコールも（ほどほどなら健康的ですが）、肝臓や膵臓などを蝕んでしまいます。心筋梗塞などの突然死も男性は女性の3倍も多いのです。
　う～ん、このように見ていくと、男性は肉体労働に適してはいますが、体を健康的に維持する能力では女性に劣っているのでしょう。