高齢化社会へ向けての気功の役割

　日本は現在、超高齢化社会へ向かっています。少子化が進み、高齢者の割合が年々高くなっているからです。

　15歳から64歳を生産年齢とし、65歳以上を高齢者とした場合、1人の老人を何人で養うかという計算は人口統計から導き出されます。1990年の時は、5.8人の人が1人の老人を養っていましたが、2005年には3.3人で1人を、そして2050年にはなんと1.3人で1人の老人を養わなければならない計算となります。しかも生産年齢といっても、一定数の人は働いていないのですから、実際は1人で1人の老人を養うことになるわけです。これは大問題ですね。

　老化というのは誰にも避けられない事実で、肉体はどんどん衰え、病気にも罹りやすくなります。だから医療費がかさみ、国の負担も増えてしまうわけです。

　しかし老化のスピードや程度は人それぞれで、世の中を見渡してみれば、病院通いに明け暮れているお年寄りがいる一方で、いつもハツラツとして元気なお年寄りもいるのです。この人たちは、80歳を過ぎても働いていたり、めったに病院のお世話になることもないわけです。これは本人にも幸せなことだし、またまわりの人たちにとっても、世話の負担が減るので幸せな状態と言えるのです。

　さて、それでは元気なお年寄りを増やすにはどうしたら良いのでしょうか。

　私は東京四ツ谷で気功サロンを営業していますが、その理念の一つは、お年寄りを含め多くの人たちが気功により元気になっていただくことなのです。

　気功を受けると体温が上昇します。これは東京電機大学の町好雄教授の実験で明らかになっています。体温が上がるのは健康上とても大切なことで、血流が良くなったことを意味します。

　私たちの身体は、骨から筋肉、内臓、皮膚、髪の毛に至るまですべて細胞でできています。これらの細胞は毛細血管から酸素と栄養分を補給しています。だから血流が良いということは十分に補給できるわけで、細胞自体が元気になっていくのです。そうすると免疫力や自己治癒力が高まり、病気になりにくい体に変化し、いつまでも健康を保つことができるわけです。