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目に見えないものは信じられないーーー病気の原因と瘴気説

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目に見えないものは信じられないーーー病気の原因と瘴気説

目に見えないものは信じられないーーー病気の原因と瘴気説

2023/11/02

 私たちは、あるものが存在すると確信するためには、やはり自分の目で見て、確かめる必要があるようです。だから、どのような手段を使っても万人の目には入らないような存在、例えば「神」は科学の対象にはならず、信仰という宗教の範疇にとどまってしまうのでしょう。

 さて、目で見てその存在を確認できない場合は、本人にとって、それは「ない」も同然なのです。たとえば自分の手のひらを見てみましょう。指の長さや形、指紋、手相などを見ることはできます。しかし常在菌といって、多くの細菌や微生物が手のひらには存在しているのです。しかしそれらは肉眼で見ることはできません。だからそんなものが存在しているとは思わないでしょう。

 17世紀になって顕微鏡が発明されたことで、肉眼では見えなかったものが次々と発見されたわけです。それは医学の進歩にとって多大な貢献をしたのです。

 現在の日本はじめ世界の先進国における死因の上位は、がんや心臓病、脳血管障害、肺炎、老衰などです。しかし100年以上前の世界においては、ペストやコレラ、腸チフス、赤痢、天然痘、結核などの感染症が死因の上位を占めていました。

 これらの病気は細菌やウイルスなどの微生物による感染が原因なのですが、当時はもちろんこれらの微生物を肉眼で見ることはできません。だから18世紀以前においては、これらの病気の原因は「瘴気」と考えられていたのです。

 瘴気とは有毒な空気のことで、腐ったものやごみから発生する有毒なガスが病気の原因と、当時の多くの科学者は考えていたわけです。まあ、瘴気とは気功の世界で言えば「邪気」に近いのかも知れませんが・・・。

 微生物が感染症の原因であると分かったのは、19世紀の後半になってからです。

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