軟気功（医療気功）の目的

　気功は大きく、硬気功と軟気功に分かれます。硬気功は武術の気功で、軟気功は医療気功のことです。

　さて、この医療気功は何を目的にしているのでしょうか？　もちろん人々の健康であり、病気の治療や長寿なども含まれます。

　東京電機大学の町好雄先生は、気功を工学的に研究している学者ですが、彼の研究によると、気功を受けると体温が上昇することが分かっています。これは何を意味しているのでしょうか。

　体温が高いことは大変健康に良いのです。体温上昇は血液循環が良くなったことを意味しているからです。私たちの身体は、骨から筋肉、皮膚、各内臓などすべて細胞でできています。これらの細胞は毛細血管から酸素や栄養分を補給しているわけです。だから血液の循環が良いということは、各細胞が生き生きしてくるわけで、その結果として自己治癒力や免疫力が強化されるのです。

　自己治癒力とは自分の病気や悪いところを自ら治す力のことで、免疫力とは細菌やウイルスなどの病原体から身体を守る力のことを言います。つまり自己治癒力や免疫力が高まれば、自然と健康体になっていくわけで、これが医療気功の目的なのです。