血液型のO型は誰にでも輸血できるか？

　ABO式の血液型には、A型、B型、O型、AB型の4種類があります。これは赤血球の細胞膜の上にある糖鎖の種類によって決まります。

　A型の人はここにA糖鎖がついており、B型の人にはB糖鎖がついています。AB型の人にはこの両方がついています。O型はこれらの元になるH型物質がついているだけです。

　ここで注意しなければならないことは、原則として自分以外の血液型は輸血できないということです。ただしO型を除いては・・・。

　たとえばA抗原を持っているA型の人に、B抗原を持っているB型の血液が輸血されると、それを免疫系が異物とみなし、攻撃してしまうからです。血液が固まったり、赤血球が壊れてしまうのです。

　ただしO型はA型B型の両方の抗原がありませんから、理論上は他の血液型の人にも輸血できることになります。しかし現状はこのような輸血はしていません。それは、血液というのは血球だけでなく、血漿も含んでいるからです。O型の血液が他の血液型の人に輸血されると、やはり上記のような問題が起こる可能性があるのです。

　だから少量の輸血の場合や緊急事態を除いては、O型の血液が他の血液型の人に輸血されることはないようです。