気功は怪しげか

　気功とは、生命の素になるエネルギーである氣を利用する技術のことです。しかし、世の中にはこの気功を怪しげなものと思っている人も多くいます。それは無理からぬことだと私は思っています。

　なぜなら、氣をさわったり見たりすることはできないからです。人にこれが氣だよ、と指し示すことはできません。つまり実体がないのです。

　よく、私には氣が見える、という人がいますが、よく聞いてみるとオーラのことを言っているようです。オーラとは人のもつ氣が実体化したもので、人によっては見ることができます。しかし、氣を純粋なエネルギーととらえた場合、その氣を見ることはできません。エネルギーそのものを見ることはできないからです。

　このことは、素粒子の一つである電子の二重スリット通過実験で明らかになっています。氣は粒子でもあり波動でもあるのですが、波としての電子を見ることはできないのです。

　このように実体のないものに対しては、怪しげなものが入り込む余地が出てきます。口のうまい人なら、人をだますことにも使われるでしょう。ただし、実体のないものでも、科学的に検証することは可能です。

　私は長年、東京四谷で気功教室を開いていますが、氣という実体のないものでも、できるだけ科学的に判断しようと努めております。