気功道ーーー外気功の精神

　前回私は、気功道という言葉を流行らせようと提案しました。気功は奥が深く、パフォーマンスの前にその心が大事だと思ったからです。

　医療気功には内気功と外気功があります。内気功の目的は、自分の健康維持や増進にあるので、その精神は身体を通じて心の健康に向かうことでしょう。身体と心はつながっているので、これは当然の帰結と言えます。

　一方、外気功の場合は他人やペットなどほかの生命体に気を発するわけですから、そこに相手に対する思いやりの精神が大切になるのです。これは医者に通じるものだと私は思っています。

　単に金儲けだけを目的に医師の仕事をしている人がいたとしたら、その人は医者失格です。医者は病気を抱えた人の不安に寄り添うべきで、患者の話を真剣に聴き、最も良いと思われる治療法を提案するのが仕事でしょう。その態度が社会への貢献になっていくわけです。

　外気功は西洋医療ではありませんが、その根本は同じです。少しでも相手の悪い部分を治そうとして氣を発します。痛みが消えた、とても良くなったと聞けば、大変嬉しくなります。少しでも相手の健康と幸せに寄与できたと思うからです。

　仕事をしている喜びは、このように他人の役に立っていると実感している時です。だから「道」なのです。外気功を学ぼうと思っている人は、この精神性がなによりも大事だということを理解していただきたいと思っています。