座禅というのは有名ですね。脚を組んで座った瞑想です。

しかし、禅にもいろいろあることを最近知りました。

例えば歩行禅。歩く禅です。

 

私たちは歩くというと、単なるＡ地点からＢ地点への移動手段と思いがちです。

あるいはダイエットとか健康のために歩く、という人もいるでしょう。

でもこれらは皆、歩きそのものが目的というよりも手段でしかありません。

普通私たちは、タッタタッタと息を切らしながら歩くわけです。

 

歩行禅の歩き方は全く違います。

ゆっくりとした呼吸に意識を向け、一歩一歩土を踏みしめて歩くのです。

歩くこと自体に集中する、と言った方が分かりやすいでしょうか。

このような歩き方をすると、空の青さや木々の若葉、小さな虫、可憐な花など、

普通に歩いていては気づかなかったものに、気づくようになるのです。

静寂とした心を歩きながら生み出していくのです。

 

食事禅も同様です。

普段私たちは食事をする時、食材には目を向けますが、

おしゃべりしたり、考え事をしたり、テレビをみながら食べたりします。

あるいは朝の忙しい時など、口いっぱいに食べ物をほおばり、お茶で流し込んだりします。

これでは、食べることそのものに意識を集中しているとは言えません。

 

食べる禅は、食材を小さくして口に入れ、よく噛んで味わいながらいただくのです。

食事中は誰もおしゃべりなどしません。皆、食べることに意識を集中するのです。

そして肉でも魚でも野菜でも、生きものを頂くことで私たちは生かされているわけで、感謝の心が生まれるのです。

 

このように日常生活のあらゆるものが、そこに意識を集中させることで禅になるのです。

食器洗いでも、調理でも、洗濯でも・・・。