人類はこの地球上の食物連鎖の最上位にあるので、

一番強い動物と思われています。

確かにあらゆる生物の中で、一番支配的な存在であるのは間違いないでしょう。

しかし、ヒトは色々な能力のすべてにわたり最上位にあるというわけではありません。

ヒトよりも優れた能力を持つ動物はたくさんいるのです。

 

たとえば視力を見てみましょう。

タカやワシなどの猛禽類は、ヒトよりもはるかに優れた視力を持っています。

はるか遠くの小さな動物の動きも見逃さないのです。

一般に鳥類は、ヒトよりも微妙な色の判別が可能のようです。

ヒトは赤、緑、青の3色を感知する遺伝子を持っていますが、

鳥類は4個の色覚遺伝子を持っているからです。

 

犬の嗅覚はヒトの100万倍と言われていますし、聴覚も10倍優れています。

イルカは超音波を発信し、仲間とコミュニケーションをはかっていますし、

コウモリも超音波で、暗い洞窟の中でも自分の位置を確認できるのです。

 

大地震の前には、なまずやネズミが騒ぐようですが、

これは地球奥深くの地殻変動を察知できるからです。

 

このように見てきますと、ヒトよりも優れた能力を持つ動物は多いのですが、

人類がここまで支配的になった理由は、

やはり思考を司る大脳の前頭部が発達したことと、

直立歩行をすることで両手が自由となり、色々な道具を作れるようになったお蔭でしょう。