がんに罹った人は医者から「親や兄弟にがんの人はいますか？」という質問を受けることがあります。

これは、がんが遺伝（家系）と関係していることを示しています。

近年、がん遺伝子とかがん抑制遺伝子などが発見されたことで、

このことは実証されてきているようです。

 

この関係（病気と遺伝）は、がんに限ったことではありません。

糖尿病や高血圧、痛風、リウマチ、緑内障、心臓疾患の他、太りやすさまで、

あらゆる病気や体質に遺伝は関係しているのです。

 

ただし、ここで誤解していただきたくないのは、ハンチントン舞踏病や血友病など一部の病気を除き、

病気そのものが遺伝するのではないということです。

その病気に罹りやすい体質が遺伝するということなのです。

だから親や兄弟にがん患者がいるからと言って、本人ががんになるとは限りません。

逆に言えば、親や兄弟にがんの人が誰もいないからと言って、

本人ががんにならないという保証はないわけです。

がんになる要因は複雑で、遺伝的要因と環境的要因（生活習慣）が絡み合っているのです。

 

ただ、がんの中でも、遺伝性の強いものがあります。

乳がんや卵巣がん、大腸がんなどです。

これらのがんに罹った人が親や兄弟にいるのなら、検診など細心の注意が必要でしょう。

アメリカの女優アンジェリーナ・ジョリーが、遺伝的に乳がんになるリスクが高いとして、

がんになる前に乳房を切除してしまったニュースは衝撃的でした。