長生きと言っても、認知症で体も動かず、ただ寝たきりというのでは、

長生きしている意味を問うのは難しいでしょう。

理想の長生きは、頭も体もしっかりとした健康寿命を全うすることではないでしょうか。

さて、このような理想的長生きは、いかにして達成されるのでしょうか？

よく言われるように、食事や運動、睡眠などに気を配るという紋切型の健康法はここでは言いません。

もっと生物としての根本を問いたいと思うのです。

 

本川達雄博士に「ゾウの時間ネズミの時間」という本があります。

ゾウもネズミも同じ哺乳類ですが、ゾウの平均寿命は約80年。ネズミは約3年半だというのです。

しかしこの二つの種に共通するものがあるのです。いや、ほとんどの哺乳類に共通しているのです。

それは、一生の間の心拍数（心臓の鼓動数）です。

ゾウもネズミも約15億から20億鼓動すると死んでしまうわけです。

だからゾウの心臓の動きはゆっくりですが、ネズミのそれは早鐘のように速いのです。

 

緊張したりストレスを感じている時は自律神経の交感神経が活発となり、心臓の動きを速めます。

だから交感神経が優位な生活をずっと続けている人は理論上、長生きできないわけです。

また1回呼吸するたびに心臓は約4回鼓動すると言われています。

呼吸と心拍数は連動しているのです。

だからゆっくりとした呼吸（深呼吸）も長生きのためには大切な要素なのです。