前回述べましたように、脳や心臓、あらゆる血管などの部位にとらわれることなく、

その原因として血が固まる血栓症として考えるならば、

日本人の死因は女性の場合、ガンを抜いて1位になってしまいます。

それでは世界では死因はどうなっているのでしょうか？

 

世界といってもとても広く、先進国と発展途上国では、死因は大きく違うようです。

日本を含む先進国では、ガンや心臓病、脳卒中などが多く、これは日本の現状とあまり変わりません。

発展途上国では、水や環境が不衛生であり、また医療も充分に発達していないため、

マラリアや結核、インフルエンザなどの感染症で亡くなる方が多いのです。

 

それでは世界全体で見た場合の死因1位は何でしょうか？

実はそれは日本の場合と違いガンではなく、虚血性心疾患（心筋梗塞などの心臓病）なのです。

心筋梗塞や脳梗塞など、血が固まりやすい血栓症が原因なのです。

特に欧米人にはこの傾向が強く、血が固まりやすい遺伝子を持った人が5％いると言われています。

日本人や中国人など東洋人には、この遺伝子を持った人はいません。

これには狩猟民族と農耕民族の違いがあるようです。

狩猟では怪我をするリスクが高く、そんな時は血が早く固まる人は出血が少ないので有利だったわけです。

農耕生活ではそのようなリスクはあまりなかったため、血が固まりやすい遺伝子は残らなかったのでしょう。