「親孝行」という言葉があります。道徳の基本概念の一つだと思いますが、

自分を生んでくれた両親に感謝し、大切にしようという意味です。

しかし「子孝行」という言葉はあまり聞いたことがありません。

実は、この言葉は私の造語ですが、最近の日本の介護問題に関し、

とても的を射た言葉だと思い、造語としたわけです。

私の身近にも、親の介護で悩んでいる人がたくさんいます。

これはおそらく、日本が長寿社会の最先端を行っているのと関係があるのだと思います。

皆が長生きになったことで、親世代の多くが認知症や身体的に不自由な状態になってしまったのです。

そんな親たちを介護する子供世代に、その負担が重くのしかかってきたわけです。

親に迷惑をかけず、りっぱな大人に成長することが親孝行と言うなら、

子供に何らの負担もかけず、自立して生きている親は子孝行と言えるのではないでしょうか。

私は東京四ツ谷で気功教室や気功施術の仕事をしていますが、

生徒さんの中に、80歳を過ぎても元気で、自立して生きている人が何人もいます。

それは本人にとっても幸せだし、子供たちにも幸せを与えているのではないでしょうか。