この世の中、すべての部分でうまくいく、ということはあまりないようです。

ある部分が良くなれば、他の部分が悪くなるーーー世の中そんなものかも知れません。

実は生物の進化を考えても、このことは当てはまるようです。

 

私たち人類の進化を考えてみましょう。

ヒトは何百万年か前に直立二足歩行を始めました。

このことはその後のヒトの目覚ましい進歩の始まりでした。

大きくて重い脳は四つ足では支えきれません。

そこで人類は立ち上がり、二足歩行をすることで大きな脳を支える姿勢ができたのです。

それでさらに脳を大きく重くすることが可能となり、

また両手があいたので、道具などを器用に作ることができるようになったわけです。

 

しかし直立二足歩行になったためのデメリットも生まれたのです。

まず腰への負担が増したため、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症など、

腰痛の原因になる病気にかかるようになりました。

また骨盤が広くなったため産道が狭くなり難産となりました。

特にヒトの赤ちゃんは頭が大きいので、病院や産院で誰かの助けがなければ、出産は難しい状況です。

野生動物の出産は誰の助けもいらず、わりと簡単に出産します。

メリットがあればデミリットも生まれる。これはそのほんの一例です。