前回のこのコーナーで、世の中はちょうど良いのがちょうどよいということ、

つまり何事もバランスが大切だと書きました。

このことは私たちの健康状態の数値にも当てはまるのです。

たとえば血圧ーーー年を取るにしたがって血圧は高くなります。

高血圧は脳卒中や心筋梗塞、大動脈解離など命にかかわる病気のリスク要因となります。

しかし逆に、血圧は低すぎても問題なのです。

特に脳は人体の一番高い位置にあるため、血圧が低いと脳に血液が行きづらくなり、

めまいや意識障害が起こる可能性があるからです。

血糖値にも同様のことが言えます。

高血糖（糖尿病）の患者数は日本では予備軍を含めると1000万人をこえるのです。

まさに糖尿病は現代に特有の病気の一つなのです。

高血糖が続くと血管がもろくなります。

そして視神経の障害（失明）や腎不全などの病気の原因になるのです。

しかし血糖値は低すぎても問題なのです。

脳は血液中のブドウ糖をエネルギー源としているため、

ブドウ糖が不足すると脳自体の活動低下につながるのです。意識をなくすこともあります。

血圧も血糖値も、高すぎても低すぎても良くありません。

ちょうどよい所でのバランスが大切と言えるでしょう。