前回私は、ダイエットに成功して痩せたのはいいけれど、

ちょっと油断するとリバウンドしてしまうーーー

そこにはホメオスターシス（恒常性）という生理的機能が関係していることを書きました。

このリバウンドのメカニズムをもっと詳しく見てみましょう。

 

ここにある女性がいて、ダイエットをしようと考えています。

彼女は1日あたり2000㎉を摂っています。個人差はありますが、日本人女性の平均的な数字でしょう。

さて、このカロリーの使い道ですが、意外に基礎代謝に多く使われているのです。

基礎代謝とは、ただ生きていくためだけに使われるエネルギー量です。

何にもしなくても、心臓は常に動いているし、呼吸も横隔膜や肋間筋という筋肉運動です。

これら基礎代謝に使われるエネルギーは、女性でだいたい1200㎉もあるのです。

だから2000㎉－1200㎉で、1日あたり800㎉が活動に使われる計算になります。

しかし彼女は最近運動不足で太ってきたため、ダイエットを決意し、1日1500㎉に落としたのです。

すると基礎代謝が1200㎉ですから、残りは300㎉しかなくなってしまいます。

ここでホメオスターシスが働くのです。

人類の500万年という歴史は、ほとんどが飢餓との闘いでした。

肥満が社会問題となるような現代の状況は、人類の長い歴史の中ではほんの一瞬です。

つまり300㎉でも生存できるように、基礎代謝量を下げ、節約型の体質に変わっていくのです。

だからいったんは痩せても、元の食事量に戻した途端、

基礎代謝量が減っていますから、エネルギーが余分となり、ブクブクと太ってしまうわけです。

これがリバウンドのメカニズムで、ダイエットの注意点です。

それではリバウンドしないためにはどうしたら良いのでしょうか？

その答えは次回に書きたいと思います。