世の中には驚くべき再生能力を持った生物がいます。

たとえばイモリは、手足だけでなく脳や心臓までも再生するそうです。

ウーパールーパーという生物も同じように再生能力が高い生物ですが、

扁形動物のプラナリアは、その代表格と言ってもいいでしょう。

プラナリアはわずか1センチほどの、ナメクジのような形をした虫ですが、

その体を7つほどにバラバラにしても、それがすべて小さなプラナリアに再生するのです。

さて、私たち人類には、このような高い再生能力は備わっていません。

しかしゼロかというと、そんなことはありません。

日常よく経験することですが、怪我をした時、傷口をよく洗うなど適切な処置をすれば、

よほど傷が深い場合はその痕跡が残りますが、通常は皮膚が傷口をふさいで元の状態に戻します。

これは目に見える再生ですが、見えない部分で再生能力を発揮していることがあります。

その典型的な例は肝臓です。

肝臓は内臓の中でも一番大きく、1キロ～1.5キロもある赤黒い臓器です。

この肝臓は大変再生能力が高く、正常な肝臓では70％近くを切り取っても、約2週間～3週間で元の状態になるのです。

ただしこれは正常な肝臓の場合で、肝硬変など障害がある時はこの限りではありません。