新型コロナウィルスの影響で経済が大打撃を受けた結果、

企業の倒産や失業者が急増しています。

そこで懸念されるのが自殺者が急激に増えることです。

今回の感染症がもたらした問題は、この倒産や失業の増加だけではありません。

ステイホームでとにかく家にいろ、外出を自粛した結果、ストレスを抱え、うつになる人が増えたことです。

自殺者の60～70％はうつ病が原因とされていて、

日本の場合、自殺者は年間3万人弱ですが、1日に換算すると約70人以上が自殺していることになります。

自殺者の多くはうつ病という精神疾患を抱えているわけですが、

うつ病になる人は心が弱いからなのでしょうか。

最近の研究では、うつ病になりやすくなるタンパク質の存在が明らかになってきました。

そしてここにも遺伝的な要因があると言うのです。

よく、朝なかなか起きられずグズグズしている子供がいますが、

それを精神がたるんでいるからだ、と精神論でかたずけてしまうこともありました。

しかし今では、起立性調節障害という、血圧がなかなか上がらない疾患だと分かってきたのです。

それと同じように、うつ病になったり自殺する人は心が弱いとか精神がたるんでいると決めつけるのではなく、

その原因を俯瞰し、もっと温かい目で見る必要があるのではないでしょうか。