現在の日本の死因第1位はがんですが、がんと言っても色々あるわけで、

その種類は時代とともに変化しているようです。

たとえば胃がんは日本の場合、ずっと第1位でした。

しかし今は、その地位を肺がんや大腸がん、女性の場合は乳がんに譲っています。

実はアメリカでも、昔は胃がんが第1位でした。日本と同じですね。

それが1950年代に発明された、ある電化製品のお蔭で胃がんは減ってきたのです。

その電化製品は何だと思いますか？　答えは電気冷蔵庫です。

それまでは食品の保存に塩を多く使っていたのですが、電気冷蔵庫の出現で塩分摂取量は減ってきたのです。

それに伴って胃がんも減ってきたわけです。

どうも塩分は胃の壁を荒らすようなのです。

そういえば、味付けの濃い東北地方の方が、薄味の関西地方に比べ、胃がんの発症率は高いですね。

他に、大腸がんや乳がんが近年増えているのは食事との関係が疑われています。

食事の西洋化に伴って、大腸がんや乳がんが増えてきたからです。

今から60年前の食事と現在の食事を比較すると、

炭水化物やタンパク質、総カロリー数などはあまり変わっていませんが、

動物性脂肪の摂取量は2.5倍にも増えているのです。

このようにがんはその時代を反映しているわけです。