「類は友を呼ぶ」という言葉があります。

性格や考え方、感性などが似ていれば意見が衝突することも少ないし、

お互い心地良い気分を味わうことができるからでしょう。

これは同調という現象にも相通じるところがありそうです。

心理学者のマーサ・マクリントックはまだ大学生だった頃に、

大学の寮で共同生活をする若い女性たちが、しだいに月経の周期が同じになることを発見しました。

社会的に同様の気が満ちる所では、内分泌系も同調してくるのかも知れません。

さて、このようなことは内面だけでなく、体の外面（体型）にも影響するのでしょうか。

たとえば肥満ということを考えてみましょう。

社会集団レベルで肥満が起こることがあります。

ポリネシアやミクロネシアといった南太平洋の島々に住む人たちのほとんどは太っています。

もちろんこれは遺伝を抜きにしては考えられません。

長い歴史の中で、厳しい環境に適応するため、脂肪を溜めやすい体質の人たちが生き残った結果なのでしょう。

しかし肥満は遺伝の影響だけでなく、日常生活における生活習慣や同調の気とも関係あるようです。

先の「類は友を呼ぶ」の例で言えば、次のような説明ができるかも知れません。

知人が皆太っていたら、自分が太ることにだんだん抵抗感はなくなっていくでしょう。

彼らと食事することも多いでしょうが、彼らの好み（太りやすい食事）に自分も慣らされていくでしょう。

結果として、自分も彼らと同じような体型に変わっていくのです。