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気功サロン推薦図書(11)

気功サロン推薦図書(11)

2023/02/23

気功サロン推薦図書(11)
  「第三のチンパンジー」 ジャレド・ダイアモンド著

 著者のジャレド・ダイアモンドはアメリカの進化生物学者です。
 本書「第三のチンパンジー」は、人類に最も近縁なチンパンジーからどのようにヒトは進化したのか、を論じています。
 ヒトとチンパンジーの遺伝子の違いは、わずか約1.5%しかありません。しかし、イヌとサルとか、ネコと牛とかの遺伝子の違いも、そんなに大きくはありません。でもヒトはこれらの動物とは違い、大きな進化を遂げました。
 ヒトの特徴は文化や文明を持っていることでしょう。これらは言語をあやつり、文字を発明することで成し遂げられたわけです。
 また、直立二足歩行を始めたことで両手が自由となり、道具を作り始めたことが今日のテクノロジーの発展となっているわけです。
 また、芸術を生み出したのもヒトの特徴でしょう。音楽や絵画、踊り、伝統芸能などは他の動物では及びもつかない地位を占めています。

 ただ芸術、特に絵画は主観の占める割合が多い分野だと私は思っています。たとえばゴッホの絵は、今では億の単位でないと買えません(それだけ評価が高い)が、生前は全く売れなかったわけです。
 また抽象画になると、芸術性が高いのか低いのか、私にはよく分からない絵がたくさんあります。カンディンスキーという画家は、キャンバスにいろいろな線を書きなぐったような絵を描くのですが、以前、「こんな絵は小学生でも描けそうだ」と私が言ったら、ある大学の美術の先生から「カンディンスキーに失礼だ」と怒られてしまいました。
 しかし本書では、芸術に関し面白い記述があるので、そのまま掲載してみます。
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 芸術家たちはひとめ見るなり、シリの絵をほめたたえた。「ある種の才能と決意の深さ、そして独創性を持っている」と画家のウィレム・デ・クーリングは評価した。高名な画家として、また絵画の研究家として大学でも教えているジェローム・ウィトキンは「この絵には感情の本質をなすものの正体がとらえられている」と語った。
 さて、シリというこの注目の新進画家の正体は誰なのだろう。絵の様子から、画家は女性で、東洋の書道に関心を寄せているとウィトキンはにらんだ。しかし、ウィトキンが知りえなかったのは、この女流画家の身長は2.5メートル、体重にいたっては4トンもあるという事実だった。シリはアジアゾウ、その鼻で鉛筆をつかんで絵を描いていた。
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 う~ん、絵画の専門家から高い評価を得たのだから、このゾウは大変芸術的才能にあふれたゾウだったんでしょうね。

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