気功サロン推薦図書（16）
　　「気の開発メソッド」　宇城憲治著

　著者の宇城憲治氏は空手の師範として有名な先生で、身体を通じて気の存在を示しています。
　気功は大きく分けて、硬気功と軟気功があります。硬気功は武術の気功で、少林寺拳法などが有名です。相手と対戦したり自分の肉体を鍛えることが目的で、日本では合気道がこの部類に属していると言えます。だから宇城氏はこの硬気功の達人と言えるでしょう。
　一方軟気功は医療気功のことで、人々の健康や病気治療などを目的にししています。
　一見、硬気功と軟気功は全く別物に見えますが、使っている気というエネルギーは同じものです。気功とは気のエネルギーを使う技術のことですから、対戦や肉体強化に使うのが硬気功で、健康や病気治療に使うのが軟気功ということになります。
　私は軟気功を専門にしていますが、本書のような硬気功も気を考える上でとても参考になるのです。
　宇城先生の道場ではいろいろな気の実感パフォーマンスをやっています。
　たとえば、おんぶする上の人に気を通すと、重くなっておんぶできなくなるとか、気を通すと、今まで押せなかった人を簡単に押すことができるようになるとかです。
　また、綱引きで同じ程度の力の人たちに対し、休憩時間に一方は正座、もう一方は体育ずわりをしてもらい、再び綱引きをやると必ず正座チームの方が勝つとかです。
　このように本書では身体を通じての気の実感例をいくつか紹介しているのですが、気は肉体だけでなく精神にも大きく作用するので、心の大切さも訴えています。