気功サロン推薦図書（17）
　　「イブに生まれて」　マリアン・レガト著

　著者のマリアン・レガトはアメリカの女性医師です。以前私が元気プラザという統合医療をやっていた病院に勤めていた頃、来日して当病院で講演会が開かれました。ユーモアにあふれ、とても参考になる話をしていただきました。
　本書は性差医療と言って、臨床から投薬に至るまで、男性と女性の違いを考慮にいれるべきと豊富な資料をもとに説いています。
　以前アメリカでは、今では信じられないことですが、製薬会社の治験においてはすべて男性を対象にしていたようです。女性は閉経による身体の変化が大きく、また妊娠や生理時のことも考慮し、治験の対象からは外されていたようです。
　つまり、女性も男性と同じで、男性の結果がそのまま女性にも通用すると考えられていたのです。
　しかしその後の研究で、男性と女性の体の組織を一つ一つ比べてみると、毛髪から心臓の鼓動に至るまで、性に基づく人間生理学的な有意な差が証明されたのです。
　その詳細はここでは述べませんが、たとえばある薬の副作用が男性にはあまり認められないが、女性には多く出現することがあるわけです。
　その他、男性と女性では脳の構造から感覚の機能、またホルモンの影響までいろいろな違いがあるので、性差を考慮した医療が求められているわけです。