気功サロン推薦図書(42)
2023/04/29
気功サロン推薦図書(42)
「夜と霧」、「死と愛」 ヴィクトル・フランクル著
先日、ある新聞の紙面に、最近引退したボクシングミドル級の元世界チャンピオンである村田諒太選手の記事が載っていました。
そこで書かれていたことは、彼の愛読書がV・フランクルの「夜と霧」と「死と愛」だというのです。
へえー、スポーツ(ボクシング)一筋に人生を歩んできたであろう選手の愛読書が、こんな哲学的で奥深い書物だとはーーーちょっと驚きですが、それと同時に村田選手に親しみを感じました。
私が「夜と霧」を初めて読んだのは、確か大学に入ったばかりの頃だったと思います。私は今まで数多くの本を読んできましたが、人生観を変えるほどの衝撃的な本は、そう多くはありません。しかし本書は間違いなく、そんな1冊です。
「夜と霧」はナチスによって迫害を受けたユダヤ人たちの強制収容所での体験記録です。著者のフランクル自身もユダヤ人で、強制収容所の過酷な生活と、その中で生きる人間を心理的側面から論じています。
人間とは何でしょう。ナチスは600万人ものユダヤ人を強制収容所のガス室で殺害しました。収容所に送り込まれたユダヤ人たちは、そこで選別され、その多くは全裸にされてそのままガス室に入れられたのでした。その運命を悟った人たちは、苦しみ悶えながら死んでいったのです。その苦しみの声は外まで聞こえたそうです。
死者の中で、家族はすぐ分かったそうです。なぜなら、固く抱きしめ合ったまま死んでいたからです。あまりに固かったので、引き離すのに苦労したとのことです。
そして死者の金歯を流れ作業のように抜き取るのです。数十分前まで生きていた人間を、単なる物のように扱う残虐さーーーでも私は思うのですが、こんな残酷なことを平気でやれる人間も、家に帰れば家族を愛し、ペットを愛し、音楽などの芸術を愛する普通の人間ではないでしょうか。
逆に言えば、平和に暮らしている私たちも、戦争という極限状態になれば、平気で残虐なことをする人間に変身してしまうのかも知れません。
私は人の心の中には善と悪、神と悪魔が同居していると思っています。つまり、完全な善人もいないし、完全な悪人もいないのです。この両者がどのように顔を出してくるのかーーーそれが人格を決定づけているのではないでしょうか。
戦争の恐ろしさは、悪魔が神の仮面をかぶることにあるのです。悪が善の姿に変身し、私たちの目を欺くのです。
今の日本のような平和な社会にあっては、人を殺すことは悪いことと思われています。しかし戦争状態においては、人(敵)をたくさん殺せばほめられるのです。殺人が良い行いになってしまう。悪が善の仮面をつけているので、多くの人はその本質に気づかないのです。ここに戦争の恐ろしさ、理不尽さがあります。
フランクルは、この過酷な状況の中で生き抜き、その悪の本質を冷静に見つめながら、どんな状況においても希望を捨てなかったーーーその勇気と強さと愛に私たちの心は揺り動かされるのでしょう。この感動の本書を多くの人に読んでほしいと、村田選手と同じく私も切望する次第です。
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