気功サロン推薦図書（43）
　　「健康は呼吸で決まる」　西原克成著

　気功とは気という生命の素になるエネルギーを活用する技術のことですが、活用する方法として三つのコツがあるのです。
　それが調体、調息、調心です。調体が体の動きや姿勢など肉体に関すること。調心は意識の集中とかイメージ、意念のことです。そして今回のテーマとなるのが調息で、これは呼吸のことです。
　本書「健康は呼吸で決まる」は西洋医学的に呼吸の大切さを述べたもので、特に口呼吸の弊害を訴えています。
　口呼吸に対応するのは鼻呼吸で、これは息を吸う時を問題にしているのです。吐く時は口からでもいいのですが、吸う時は鼻から吸わないと、いろいろな病気の原因になってしまうのです。その主な理由として、鼻から気管支への道は長く、その間に粘膜や鼻毛で満たされています。空気中には目に見えない細菌やウィルスがウヨウヨしていますが、実は粘膜や鼻毛がこれら病原菌の侵入を防ぐフィルターの役目をしているのです。
　口呼吸をしてしまうと、これら病原菌が簡単に気管支から肺へと入り込むことになります。だから口呼吸する人は風邪をひきやすくなるのです。
　実はそれだけではありません。体の組織、器官はみな繋がっているので、病原菌侵入が他のいろいろな病気の要因になってしまうのです。たとえば肝炎や膵炎、糖尿病、胃腸炎、潰瘍性大腸炎、膀胱炎の他、リウマチや膠原病、強皮症、レイノー病、シェーグレン症候群、メニエール病、耳鳴り、偏頭痛、うつ病といった広い範囲の疾患に影響を与えるようです。
　呼吸はほとんどの場合、無意識でやっています。特に寝ている時はそうです。だから口呼吸のクセのある人は、睡眠中にテープ（薬局で売っている）で口をふさぐなどの処置が必要でしょう。
　東京四ツ谷の気功サロンでは、その入門講座において呼吸の話を、中国医学的観点だけでなく、西洋医学の観点からも説明しています。