気功サロン推薦図書（52）
　　「人間関係が楽しくなる本」　高橋浩著

　精神分析医で心理学者のアドラーは、人の悩みはすべて人間関係の悩みである、と言っています。すべてかどうかは分かりませんが、人間関係というものが悩みの大部分を占めているのは間違いないでしょう。
　著者の高橋浩氏は交流分析の観点を基本として、人間関係を良くする方法を述べています。
　人間の心には本来、親の部分、子の部分、そして大人の部分の3つがあります。この3つを自我状態と呼びます。親とは、幼い時に親から教えられた態度や行動から影響を受けた部分。子は、子供としての本態や感情そのままの状態。そして大人は、事実に基づいて物事を客観的に判断する部分です。
　さらに親の部分は二つに分かれます。道徳や秩序、原則を重んじる部分（CP）と優しさや共感、受容といった母親的な部分（NP）です。
　子の部分も二つに分かれ、天真爛漫ないかにも子供らしい部分（FC）と従順で人に従ういい子の部分（AC）です。これら4つに大人（A）を加えた5つの状態のバランスを見ることで、その人の自我状態を判断できるわけです。そして性格というものも、この自我状態（エゴグラムという）からある程度推測できるわけです。
　したがって、その人のエゴグラムを見ることで、その人なりの独自の人間関係を判断でき、それを良くするためのアドバイスが可能になるわけです。
　まあこれとは別に、人間関係を良くするいくつかのアドバイスを書いていますので紹介します。
①お礼やほめ言葉を求めない所に人間関係の機微がある
②「自分が感じるように人も感じる」は大きな錯覚
③人が分かるとは、その人の気持ちを感じて分かること
④素直な心を持つことが愛される条件
などなどです。