ウォーキングの歩数は健康のバロメーター

　現代人は昔の人と比べ、歩かなくなったと言われています。逆に座る時間は長くなっているようです。このことは健康にどう影響するのか、世界には様々な研究があるのです。

　まず、座りっぱなしの姿勢は腰痛だけでなく、いろいろな病気の引き金になるのです。座る時間が1日に2時間増えるごとに、死亡リスクは15％増えるという研究があります。座る時間が長くなると、がんをはじめ脳血管障害、心臓病、糖尿病、腎臓病、認知症、誤嚥性肺炎など様々な病気のリスクを高めてしまうのです。

　反対に運動することは、これとは逆に病気のリスクを減らし、健康効果を高めることが分かっています。ただし一言で運動といっても、ただ激しい運動をすればいい、というものではないようです。激しい運動は死亡率の低下にはつながらないようです。無理しない範囲で毎日続けられる運動が最適でしょう。その意味でウォーキングは簡単で、自分のペースでできるので最適な健康維持方法と言えるでしょう。毎日1万歩を目指して歩いてみましょう。

　ウォーキングは、先に述べた座りっぱなしの悪影響とは反対の健康効果があります。よく歩く人はそうでない人に比べ、コロナの重症化リスクを下げますし、13種類のがんの発症リスクも低下させることが分かっています。

　また歩くと、精神を安定させたり意欲を高めたりするセロトニンの分泌を促すので、うつ病の予防にもなるのです。

　また1日に1時間以上歩く人は30分以下の人に比べ、認知症のリスクが28％低下するという研究もあります。その他、食前よりも食後の運動のほうが血糖値を下げる効果が高いそうです。

　まあ、健康維持のためには日々の生活習慣として、エレベーターやエスカレーターを使わずに階段を上るなど、歩くことに意識を常に向けてみてはいかがでしょうか。