歯は大事ーーー健康維持の基本

　野生の動物たち（肉食動物や草食動物）は年老いて歯がダメになると生きていくことはできません。自然界は点滴や胃ろうなどないのですから、栄養物を口から取り入れるほかないわけで、そこに支障が出ると生命の危険にさらされてしまうのです。

　さて、医学界では医科と歯科は別々になっています。歯科の医師は歯科医師と呼ばれ、歯の専門医ですから、歯以外の私たちの身体を診ることはありません。

　しかし考えてみれば、これはちょっとおかしなことではないでしょうか。なぜなら、歯も身体の一部であり、しかも歯の身体にもたらす影響力はとても強いからです。

　歯周病の元になる歯周病菌は歯の欠損の原因になるだけでなく、糖尿病や心筋梗塞、脳梗塞、誤嚥性肺炎など身体のいろいろな病気の原因になることが分かっています。

　また、歯のかみ合わせの悪さは身体のゆがみの原因となり、肩こりや腰痛だけでなく、胃腸障害などの内臓の疾患をもたらします。

　その他、歯の治療で金属を詰めることがありますが、異種金属間および金属と唾液が反応して電流が発生することがあります（ガルバニック電流）。この電磁波により、身体に様々な悪影響を及ぼすことがあるのです。

　私たちは、めまいや不眠、耳鳴り、吐き気、頭痛や胃痛、下痢などの症状で病院に行くことがあります。こんな時は、その症状の原因を探るべく、血液検査やレントゲン、超音波、CTなど様々な検査を行ないます。しかしどの検査でも異常がなく、医師を困惑させることがあります。

　でも実は、これらの不定愁訴の原因が歯にあった、ということもあるのです。う～ん、歯は大事ですね。