気功と病気回復との因果関係

　私たちは、病気というものは医者が治してくれる、薬が治してくれると思いがちですが、本当にそうでしょうか。東洋医学、特に気功を学んできた私は、「自分の病気は自分が治すもの」という考えを持っています。

　東洋医学では氣という生命エネルギーが不足したり、めぐりが悪くなると病気になると考えられています。それなら氣を充足し、めぐりを良くすればいいわけで、その代表的な健康法が気功なのです。

　私たちは自然治癒力という素晴らしい力を持っています。たとえば、大酒のみでしかもヘビースモーカーの肝臓の数値が悪いのは普通ですが、酒とタバコをやめただけでも、その数値は良くなるではありませんか。つまり、私たちの生体は、健康で正常な状態に戻そうとする力を持っているわけです。

　これを自然治癒力と呼ぶのですが、東洋医学の考えでは、この自然治癒力を高めることで、「自分の病気は自分で治す」という状態が生まれてくるのです。この自然治癒力を「氣」と言い換えても、さほど間違いではないでしょう。

　さて、気功と病気回復との因果関係ですが、気功師から氣を受けると、受け手の人の体温が上がることが町好雄東京電機大学教授の実験で明らかになっています。（町好雄著「氣を科学するより）。気功サロンにおいても、外気功を受けた人が、身体がポカポカ温かくなったという声をよく聞きます。これはその人の血液循環が良くなったことを意味します。血液循環が良いことは、健康上とても大切なことです。

　私たちの身体は、骨から筋肉、内臓、皮膚、髪の毛に至るまで、すべて細胞でできています。その数は約60兆個と言われています。これらの細胞が活動するためには酸素や栄養分を必要としますが、それらは毛細血管から取り込まれるのです。つまり血液循環が良いということは、細胞が酸素や栄養分を取り込みやすい状態になるわけですから、新陳代謝が高まり、各細胞が生き生きしてくるのです。その結果、自然治癒力や免疫力が高まり、「自分の病気は自分で治す」という力を養い、また、病気になりにくい力を作っていくのです。