最近、精神神経免疫学という言葉をよく耳にします。

これはわりと新しくできた学問ですが、心と体のつながりを証明する学問です。

一言で言えば、昔から「病は気から」などと言われますが、それを科学的に証明しようというものです。

 

これらの研究は道義上、人間を実験台にするわけにいきませんので、動物実験がよく行われます。

例えばマウスを使った実験で、マウスにストレスを与えると、明らかにガン細胞の増殖が見られるのです。

1988年の実験ですが、乳ガンの発生はストレスがない状態ではわずか10％なのに対し、

ストレスを与えると、それが68％に跳ね上がるのです。

また、B16メラノーマという皮膚ガンの転移も、マウスを静かな環境に置くと20％なのに対し、

騒音のストレスを与えると100％の転移があったというのです。

 

心の状態が体に影響することは、今や医学界の常識です。

悩みや悲しみ、色々なストレスが免疫力を下げ、病気にかかりやすい体にしてしまうのです。

これは心の状態（気持ち）が体に影響することを述べたものですが、

その逆もまた真で、体の状態も心に多大な影響を及ぼすのです。

このことは皆さまも経験していることと思います。

歯が痛かったり、激しい頭痛がしたり、ひどい下痢に悩まされていた場合、前向きな考えなど出てきませんものね。

やはり、心も大事、体も大事です。二つはつながっているのですから。